2021.03.31

分散型の共創ワークを実現する
「イノベーションワーク」 への挑戦

『三井のオフィス』には様々なこだわりを持った素敵なオフィスがたくさん入居されています。
本コラムでは、オフィスの活用や価値を見つめなおす機会が増えた今、ほかの企業の皆さんがどんなオフィスで働いているかを知ることができる、そんな機会を提供していきます。
第3回は、日本橋室町三井タワーのNECネッツエスアイ株式会社様のオフィスにお伺いしました!

時代を先取りした働き方改革を実践し、そこで得たノウハウを広く社会にも提案してきたNECネッツエスアイ株式会社。
2020年2月、イノベーションを起こす共創の場として同社が開設した新たな拠点「日本橋イノベーションベース」について、実際のオフィスづくりを支えたエンパワードビジネス推進本部のお二人に話を伺いました。
※インタビューはマスクを着用して実施しております。写真撮影のみ、マスクを外しております。

  • □イノベーションを生み出す仕組みと仕掛け
  • □生産性を高め、快適に働くための「分散型ワーク」
  • □時代を先取りした働き方でお客様の期待に応える
  • □ニューノーマル時代のコミュニケーションへ
  • □取材を終えて~「& Life-Biz編集部」の発見ポイント~

イノベーションを生み出す仕組みと仕掛け

NECネッツエスアイが新オフィスを開設したのは、「日本橋室町三井タワー」(東京・日本橋)の21~22階。本社オフィス(東京・飯田橋)から、エンタープライズ系SEと営業、およびDX推進部門を合わせた約1000名がこちらへと移転しました。
2019年以降、首都圏の拠点を分散化してきた同社にとって、日本橋オフィスの位置づけは「イノベーションベース」。オフィスづくりを構想段階から支えてきた鈴木聰子さんは、「全社横断のメンバーによるビジネス創出や、国内外のお客様・パートナーとの共創を深めるための場となっています」とコンセプトを語ります。

それを象徴するのが、22階のエントランスを入ってすぐに広がる137インチ×3面の超大型ディスプレイを配した「オープンイノベーション」スペース。米国シリコンバレーのPLUG AND PLAYと等身大でつないだり、100名規模の参加者によるオンラインディスカッション、お客様企業とのトップ対談の開催など、多様な使い方で共創の可能性を広げています。
21階には営業・SEが生販一体で集まる執務エリアのほか、プロジェクト単位でチームが集中的に取り組む「ガレージ」やカフェスペースを配置。執務エリアに採用されたL字型テーブルは、隣り合う人との会話を生み出し、ちょっとした打ち合わせにも対応できます。

オフィス内にはほとんど壁がなく、窓際に並んだ会議室もすべてガラス張りにするなど、窓の外へと視線が抜ける設計に。
「高層階の眺望を活かしつつ、イノベーションを生み出す空間としての開放感を大事にしました」と話すのは、オフィスデザインを担当した五十嵐千鶴恵さんです。
「最新ビルならではの空調・換気システムで、いつもきれいな空気が流れていたり、自動制御のブラインドで快適な明るさが保たれたりするのも、オフィスの居心地の良さにつながっていると思います」と五十嵐さんは付け加えます。

生産性を高め、快適に働くための「分散型ワーク」

NECネッツエスアイのオフィスづくりは、同社が2007年から進めてきた働き方改革と密接につながるもの。「ムダ取りや見える化を進め、テレワークは2017年には全社員が無制限で利用できる制度を導入、2019年から新たな挑戦として掲げたのが『分散型ワーク』です」と鈴木さん。組織ごとに物理的にエリアを分けた従来のオフィスから、あらゆる壁を超えて社員一人ひとりが能力を活かして快適に働けるオフィスへ――そんな発想のもと、首都圏オフィスの大幅な再編が進みました。

日本橋イノベーションベースが開設された一方、本社・ビジネスベースは引き続き全社のハブ機能を果たし、人材育成や新技術の検証はテクニカルベース(神奈川・新川崎)が担います。スタッフ部門の社員は首都圏7カ所のアクティビティベースを拠点とし、原則30分以内の通勤ができるように。オフィスの分散は社員の負担軽減と生産性向上のほか、BCP対策のために一極集中を避けるねらいもあります。

分散型ワークを支えるのが、ZoomやSlackをはじめとするデジタルツールです。拠点間をオンラインで常時つなぐことで、ディスプレイ越しに他のオフィスのメンバーにもすぐに声をかけられます。常時接続先には本社の社長室も含まれ、社長が働く姿を社員が誰でもディスプレイ上に見られるというオープンさが何とも画期的です。

働き方改革ソリューションを提案するNECネッツエスアイにとって、オフィスには「お客様体験の場」としての役割も。日本橋イノベーションベースに全部で9つある、すべてしつらえの違う応接エリアもその一例です。「上座・下座がなくフラットに話せる円卓の部屋や、ドリンクを片手にリラックスできるバーのような空間、大人数向けのV字型テーブルのオンライン会議室など、それぞれ特色を持たせています。お客様から『こういう会議室を自社につくりたい』とご要望いただいたとき、丸ごとご提供できるのが私たちの強みです」と五十嵐さんは話します。

時代を先取りした働き方でお客様の期待に応える

2020年以降、新型コロナウイルスの影響でリモートワークを推進する企業は急増。NECネッツエスアイは、コロナ対策のために分散型ワークを始めたのではなく、それに先行して改革を進めてきたのが特徴であり、「当社の働き方改革は、時代を先取りして実践した上で、ノウハウをお客様に提供していくこと」という鈴木さんの言葉を裏づけます。

「実は、こちらのオフィス移転後すぐにコロナの影響が拡大したため、2つの会議室を急遽オンラインスタジオに変更しました。今このスタジオがとても好評で、重要なイベント配信やウェビナー開催などで多くのお客様にご利用いただいています。スタジオそのものを自社に導入したいというご相談も少なくありません」と鈴木さん。

2020年12月には、日本橋イノベーションベース内に日本初の「Zoomショーケース」を開設。Zoomの様々な高度活用、音と映像にこだわったZoom専用機器「neat」や、YAMAHA×什器メーカー×NECネッツエスアイ3社で共同検証しているオンライン会議ブースなどを紹介し、多くのお客様の「オンライン会議が増えて場所に困る」「音漏れが気になる」という悩みの声に応えています。

また、オフィスの感染対策でもデジタルをフル活用。「明日どこで働くか」を社員一人ひとりが事前にオンラインで発信することで、各オフィスの出社人数を把握・コントロールしています。出社時には、社員が携帯するビーコンタグで位置情報をリアルタイムで収集し、密集アラートを出したり、空席エリアを通知したりします。

ニューノーマル時代のコミュニケーションへ

現在、NECネッツエスアイが模索するのはニューノーマルに向けた働き方です。コロナ収束後も、全員がオフィスで働く従来に戻ることはなく、50%程度の出社率の継続を見込んでいるそう。「最近では、地方出身の社員が地元に戻り、日本橋所属部門に属しながらバーチャルオフィスで勤務を続けるような例も出てきています。働く場所の制約はどんどんなくなってきているのを感じます」と鈴木さん。

そうした中、いっそう問われるのがコミュニケーションのあり方です。オフィスに行かなくても業務は遂行できても、日常会話や雑談、ちょっとした相談のしにくさは多くの社員が感じる課題に。お客様からは、テレワークの定着で社員の帰属意識が薄れることを懸念する声もしばしば聞かれます。

「オフィスの求心力を活かし、テレワーカーが出社している仲間との一体感を持てるような仕組みや、新しい情報共有のあり方、組織を超えたコミュニティづくりなど、検討すべきことは多々あります」と話す鈴木さんに五十嵐さんも同意し、「リアルとデジタルのハイブリッド化のために何がオフィスに求められるのか、お客様との対話の中でもいつも考えています。オフィスに来なくても事業を継続でき、それでもオフィスに行きたくなるような魅力ある空間づくりを追求したいですね」。

取材を終えて~「& Life-Biz編集部」の発見ポイント~

今や多くの企業で常識となったZoomも、国内ではNECネッツエスアイが販売店第一号。長年培ってきたDXのノウハウが、働き方改革にも存分に活かされているのを感じました。また日本橋イノベーションベースでは、壁面を彩るイラストや会議室の手描きのルーム名、一枚一枚異なるタペストリーなど、要所要所にアートの要素が取り入れられているのがとてもユニーク。アナログとデジタルの両面から、「イノベーション」へのこだわりが伝わってくるオフィスでした。

Company Profile

NECネッツエスアイ株式会社/ネットワークシステムに関する企画・コンサルティングから設計・構築までトータルに対応。また、国内300カ所以上のサポートサービス拠点による保守・運用、24時間365日の監視サービス・アウトソーシングサービスを提供する。

Today's Speaker

(左)
NECネッツエスアイ株式会社
ビジネスデザイン統括本部 エンパワードビジネス推進本部 ワークスタイルデザイングループ ワークスタイルデザイン推進担当部長
鈴木 聰子さん
(右)
NECネッツエスアイ株式会社
ビジネスデザイン統括本部 エンパワードビジネス推進本部 ワークスタイルデザイングループ 主任
五十嵐 千鶴恵さん

【お問合せ先】
三井不動産ビルマネジメント株式会社
ビジネスソリューション事業推進本部 担当:星野・角舘
メール:event@mfbm.co.jp

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