2021.04.13

今知りたい!「コロナに負けない。生産性の高い働き方とは」
Work-Life Bridgeオンラインセミナーをレポート

この1年、多くの方が急速な働き方や生活の変化を体験されたことでしょう。そんな今、『三井のオフィス』 として働く皆さまにできることは何かを考え、これからの働き方を考える一助になればとオンラインセミナーを開催いたしました。
ワーク・ライフ・バランス推進の第一人者である小室淑恵さんをゲストに招き、「コロナに負けない。生産性の高い働き方とは」というテーマで講演を行っていただきました。

<小室淑恵さんプロフィール>
1000社以上の企業へのコンサルティング実績を持ち、残業を減らして業績を上げる「働き方改革コンサルティング」の手法に定評がある。安倍内閣 産業競争力会議民間議員、経済産業省産業構造審議会、文部科学省 中央教育審議会などの委員を歴任。著書に『プレイングマネージャー「残業ゼロ」の仕事術』(ダイヤモンド社)『働き方改革 生産性とモチベーションが上がる事例20社』(毎日新聞出版)『6時に帰るチーム術』(日本能率協会マネジメントセンター)『男性の育休 家族・企業・経済はこう変わる』(共著、PHP新書)等多数。「朝メール.com」「介護と仕事の両立ナビ」「WLB組織診断」「育児と仕事の調和プログラム アルモ」等のWEBサービスを開発し、1000社以上に導入。「WLBコンサルタント養成講座」を主宰し、1600名の卒業生が全国で活躍中。 私生活では二児の母。

室町三井ホールより、全国各地の皆さまへ

開催当日3月3日(水)、室町三井ホールに集まったのは限られた人数のスタッフのみ。広々とした会場では、徹底した感染予防対策のもと、ライブ配信の準備が行われました。
今回のセミナーはオンラインでの開催ということで、参加者の皆さまはそれぞれご自宅や職場などからご聴講。質疑もオンライン上で投稿していただきました。そのため首都圏のみならず、関西や九州など様々な地域から100名を超えるワーカーの皆さまにご参加いただくことができました。

日本はコロナ以前から働き方を変えなければいけない状況

1000社を超える企業や自治体に、「働き方改革コンサルティング」を提供してきた実績をお持ちの小室淑恵さん。小室さんが冒頭にお話になったのは、今回の感染症拡大がなくとも、日本は働き方を変えざるを得ないえない状況にあったということ。ネガティブに捉えるのではなく、このタイミングを変わるチャンスと受け止め、どうアクションすべきかを考えていきましょうという力強い言葉で、講演は始まりました。

では、働き方を変えざるを得ない状況というのはどういうことなのでしょう?
まずは、日本は先進主要国中もっとも時間をかけて仕事をし、生み出す付加価値はもっとも低い国であるという現状をご紹介。そして、日本は主要国で最も早く少子高齢化が進行している事実と、この人口構造の変化が経済に与える影響を解説していただきました。こうした背景から、働き方を変えることの必要性が紐解かれていきました。

女性活躍と少子化対策のキーは「男性の働き方改革」

労働人口が減少し、働く人よりも支えられる人が多くなる状況がやってくる今、大切なこととして小室さんは2つのポイントを挙げられました。

1つ目は、女性や家庭的事情が持つ人もドロップしないように、今確保できる労働人口が働き続けられる環境を整えること。そしてもう1つが、未来の労働力を確保するために、ワーキングペアレンツが2人以上の子供を持てる環境を作ること。
女性活躍と少子化対策、この2つのために重要なのが、実は「男性の働き方改革」なのだと小室さんはおっしゃいます。

夫の家事・育児参画時間が短い家庭ほど、第2子以降が生まれていないことがデータでも明らかになっているのです。2人のお子様を持つ母である小室さんは、ご自身の実体験を交えながら、孤独な育児は妻のトラウマにさえなりうること、ホルモンバランスの心身の影響の面でも、男性の育児参画がいかに必要であるかを説明してくださいました。

仕事と育児、仕事と介護...両方やるから、両方うまくいく

「なるべく短時間で働く」ことは、経済発展の重要なポイントの1つ。長時間労働の生産性の低さや、睡眠不足とパワハラ・セクハラの関係性など、驚きの事実をお話してくださいました。また、要介護者数がこれからさらに跳ね上がり、今後は男女問わず介護のために時間制約のあるなかで働く人の割合が増えていくという予測も。

ご自身も育児や親御さんの介護で、時間に制約があるなか仕事をされてきた小室さん。育児・介護との両立でパンクしないためには、「両方やるから両方上手くいく」という考えを持つことが大切であると教えてくださいました。

限られた時間の中でやるからこそ、「もうちょっとやればよかった」という飢餓感が生まれるが、それは「明日一番にあれをやろう、これをやろう」というモチベーションにつながると言います。一時は「どっちも中途半端にしかできていない」と捉えてしまうことがあったそうですが、今は「仕事も家族も、どっちも大好きでどっちも上手く回っている」と日々思えているそうです。

本当にやりたかったことに挑戦するチャンス

他にも、タイムマネジメントやチームづくり、家庭におけるパートナー育成のアイデアなど、ご自身の経験に基づくアドバイスは非常に実践的で説得力あるものでした。少子高齢化の深刻な問題などを扱いながらも、時には笑いを交えて楽しみながら学べる講演を行ってくださった小室さん。将来に不安を抱えている皆さまへ、ポジティブでいるためのアドバイスとして素敵な言葉をいただきました。

「これからの時代、1つの会社、1つの知識やスキルで走り抜けるのはほぼ奇跡です。それは、別のやりたかったことをやるチャンスでもあります。人生100年時代ですから、時間はたくさんあります。新卒の時、学歴などの理由で諦めてしまった"本当にやりたかったこと"があるのなら、それに関して1から学んでチャレンジすることだってできます。そう考えて、1日5分勉強するところから始めてみるだけでも、未来に対してポジティブになれるのではないでしょうか」

これからの働き方やワークとライフのバランスなど、不安や悩みを前向きに解決するヒントをたくさんいただくことができた講演でした。

当日お時間の都合で回答ができなかったご質問に対し、小室さんが特別にご回答をくださいました!

今独身ですが、将来子供が3人欲しいと思っていて、ただ仕事を続けたいし、キャリアとしては海外勤務や女性管理職になりたいとも思っています。どれかを諦めないといけないかもしれないと思い悩んでいます。
何かアドバイスを頂けると嬉しいです。
ご質問ありがとうございます。将来のビジョンがおありで素晴らしいですね。
海外勤務・管理職と子育てはすべて両立できると思いますよ。そのためには、時間内で成果を上げるスタイルを今のうちから確立することが大事です。若いころに時間外という武器に頼った成果のあげかたを習得してしまうと、時間制約ができた瞬間に成果が出せない人になります。人生を能動的にコントロールするために、まずは生産性を高めて、定時で帰ることにチャレンジしましょう。
海外は、日本よりもずっと子育てしやすいので、子連れで海外勤務に手を挙げるのもおすすめです。
全国転勤がある報道機関に勤めている独身30代後半です。
コロナ禍になっても変わらず全国転勤を実施する会社なのですが、これからの時代、小室さんは全国転勤をどう捉えられますか?
ちなみに結婚、出産した女性社員のみ免除されています。
ご質問ありがとうございます。これからは、介護事情で転勤できない男性も激増します。転勤を前提としたビジネスモデルが限界にきていると思います。本人の希望が前提の転勤以外は無くしていくべきだと考えます。労働力人口の構造からも、もう限界があるという現実をぜひ御社の経営陣に研修してあげてください。
社会人4年目、独身です。
お子さんのお迎えで早く帰る先輩や、産休に入られた先輩の仕事のフォローをすることが多くなってきて、先輩たちが悪いわけではないのに、業務負担が大きくなんだか独身で損したような気分になってしまいます。どのように考え方や働き方を変えたら楽しく働けるでしょうか?アドバイスいただけますと幸いです。
ご質問ありがとうございます。毎日、ご自分の仕事以外にフォローまで分担すると大変ですよね。ぜひ、ご自身も計画的にライフの予定を入れて、絶対早く帰る日を作って公言してみてください。その際は普段貢献している分、先輩たちに日中に沢山仕事を頼んで絶対帰れるようにサポートしてもらってください。自分もライフを充実させることで、お互いに助け合うチームを作ることができると思います。

& Life-Bizでは『三井のオフィス』にお勤めの皆さまが単に「働く」というだけではなく、様々なOn Time/Off Timeを過ごし、集う、そんな"新しい生活"の場を提供する事を目指して、今後も様々なイベント・キャンペーンを企画してまいります!

column